黄金の風

教員に向いてない教員向けブログ

教員の働き方改革についての価値観をしっかり持ちましょう

いつもの…

 私は時間がない毎日のトイレ休憩の1〜2分の間に、iPnoneの大きめのスタックに表示させてあるYahooニュースの見出しに目を通してニュースをチェックしています。感覚では1週間に1度くらいでしょうか…学校関係の不祥事の記事か、この手の働き方改革の記事が表示されます。最近もこのような記事を見かけました。

news.yahoo.co.jp

余談ですが、Yahooニュースにはなぜあんなに学校関係の「暗い」ニュースが載るのでしょうか。まあ、いかにもコメ欄が盛り上がりそうな感じがしますが笑。

 

 そんな話はさておき、また何かの記事で「6時半に自宅を出て、9時半ごろ帰宅」という教員生活の例を見て、「これは俺かw」と思ったことがありました。これが一般企業に照らし合わせてブラックかどうかはともかく、働いている身としてはやはり「就業時間の感覚がない」ことや「無駄な労働を削減できない」などの職場の雰囲気には嫌気が差します…。これだけ「働き方改革」などと言っていろんな研修も増えているのに(それがまた残業につながるんですが笑)、なぜ業務改善がなされないのか。その理由は、教員一人一人の「働き方改革」に対する「価値観」が問題なのだと考えています。同僚と話す度に、私が持っている働き方改革に対する価値観が合わないので、困っています。

 

教員が持たなくてはならない働き方改革の価値観

 私は、働き方改革や教員の業務改善について、職場や教育委員会でやっているような研修も受けています。しかし、最も大きく影響を受けたのが、橘玲さんの「働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる」という書籍です。教員のみなさん、まずはこの本を読んで欲しいです。私は教員の業務改善について、以下の3つの価値観が重要だと考えています。

 

ワークライフバランス

②国際社会基準で考えた時の日本人の職業観の改善

③教育現場で我々が子ども達に与える影響

 

 よく研修などで耳にするのは①です。ワークライフバランスを考えられていないから、上記のYahooニュースの記事のように離職者がいたり、教職に就きたくない人が増えているのも事実ではあります。しかし、その議論をしていても現場は改善されないのです。なぜなら、今の教員界はまさに「学校に人生を捧げている」というような方々が多いからです。それが生きがいであって、子どもに何かを育むために命を捧げて何時間働いても楽しいという、良く言えば「金八先生」のような人材が多数派だからです。そのような先生方に対して「人生は仕事だけではないから、余暇も楽しみなさい」というような旨の話をしても「?」となるのが現実です。さらに、良くも悪くもそのような先生方が現在の教育現場を作ってきたのは事実ですから、年功序列のこの世界にとって、いくら国や文科省がそれを推進しても進むわけがありません。実は私の両親も公立学校の教員であり、特に母親の方は小学校のお局教諭といったところでしょうか…。母親とこの手の働き方の話をするとそりが合わず、最悪の場合言い争いになります笑。

 

「子ども」のために、自分たちの振る舞いを考える

 色々と話してきましたが、ワークライフバランス以上に私は②と③の価値観が大切だと考えています。先ほど紹介した橘玲さんの「働き方2.0vs4.0」の話を私なりに解釈すると、日本が働き方改革を進めたいいくつかの理由の一つは、「グローバルな社会に進出したり、受け入れられたりする」ことが目的だと考えます。つまり、日本の終身雇用や会社に尽くす働き方では国際社会から受け入れられないどころか「差別的」な国や社会だと思われてしまいます(詳しくは書籍を読んでください)。私は、日本が「働き方改革」を進めるのはワークライフバランス以上に、日本という社会がグローバルな世界で受け入れられないという事実があるからなのではないかと考えています。

さらに、教員の皆さんにもう一つ訴えたいことがあります。それは③です。教員がグローバルな社会で受け入れられないような働き方をしていて、あなたが熱心に育てている子ども達はどのような影響を受けるでしょうか。私はこれからの社会で羽ばたいていく目の前の子ども達のためにも、「就業時間の感覚がない」というような働き方を毎日見せつけていて良いとは思えません。そのような労働環境で働くことを、私たちが推進しているような、まさに「奴隷教育」、奴隷を育てているようなことを、一人の教育者として行なっていて良いのでしょうか。

 

 現場の研修ではしきりにワークライフバランスのことばかり聞きます。しかし、それでは教員の皆さんは動きません。ワークライフバランスを無視して人生を捧げてきた、そのアイデンティティを踏みにじられたような気持ちになるからです。だからこそ、②や③のような考え方で、目の前の「子ども達」に本当の教育を行うために、業務削減、業務改善を行うべきだと考えています。現場の先生方は、そう言えばわかってくれると思います。学校関係者の皆様、どうか働き方改革を行うというのであれば、①よりも②③で、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。国際社会に通用する、本当の人材を教育しようというのであれば、子ども達に見せる私たちの姿や振る舞いを考えていくべきなのではないでしょうか。新人の先生方や、今から教職に就こうとしている学生さんは、どうかこのことを肝に銘じておいてください。最も、現時点ではそのような社会人でいたければ教職に就かないという考え方の方が主流ですが…。